太陽光発電システム設置の流れは?
太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換し、家庭で使用する太陽光発電は、二酸化炭素を排出しない環境に優しいシステムとして以前から注目を集めています。家庭としても、光熱費が節約できることや、使用しない電気を売れることなどのメリットがあります。
そんな太陽光発電のシステムが、どのような流れで家庭の屋根に設置されるかはご存知でしょうか?屋根の種類や住宅の条件によって多少の差はあるものの、一般的な工事の手順を紹介します。
1.事前の準備(計画書の作成、状況確認など)
当然ですが、工事を実施するためには事前準備が必要です。その一環として工事の計画を立てることが挙げられます。
計画通りに工事を進めるために、業者の間で重要とされているものが施工計画書です。万が一現場の監督員がいないような状況であっても工事が滞らないように、誰がみても分かりやすく、工程ごとに詳細な内容が記されます。これにより、一定品質以上の工事を計画に沿って進めることができます。
施工計画書に記載する内容は必要にあわせて変更が可能であるものの、坂東施工図のような業者で販売されているテンプレートを利用することで内容の抜け漏れをなくせるため、多くの業者が活用しています。
工事開始日当日は、施工計画書をもとに再度工事の工程を確認します。住宅の屋根状態や安全性などもあわせて確認し、ようやく実際の工事がスタートします。
2.屋根上の工事(架台、モジュール設置)
工事がスタートしたら、まずは屋根材や屋根の形状にあわせて架台を設置します。架台は、太陽光パネルを設置するフレームを支える役割を担っています。架台が不安定では太陽光パネルを安定して取り付けることができず、思わぬ事故のもとになることも考えられます。時間をかけて丁寧に、ビスでしっかりと固定します。
架台の設置が完了したら、次はモジュール(太陽電池モジュール)を設置します。いわゆる太陽光パネルのことです。モジュールを設置するためには、まずボルトやナット、ワッシャーなどを使い、架台にフレームを取り付けます。フレームは、完全に架台に固定する前に高さを調整しなければなりません。歪みなくフレームを調整できた後、モジュールを設置します。
3.電気関連の工事(接続箱、パワーコンディショナー設置)
意外に思えますが、太陽光発電システムの設置工事には、屋根上工事だけではなく電気工事も含まれます。電気工事は、実際は屋根上工事と同時並行に進められます。
電気工事でまず設置されるものは、接続箱とパワーコンディショナーという機器です。接続箱は発電された電気を集める役割を担っています。一方、パワーコンディショナーは、接続箱から送られてきた電気を家庭用電気に変換する役目を担っています。
いずれの機器も壁に設置されます。特に、パワーコンディショナーは分電盤や棚などから距離をとって設置しなければ故障の原因となります。そのため、位置の調整にも気を配ります。
4.カラーモニターの設置、調整
家庭で売電量や買電量を確認するための設備がカラーモニターです。必須ではないものの、電気の使用量や売電額などが目に見えて分かるため、設置する家庭は多いそうです。発電量などがきちんと表示されるか、日付に誤りがないかを確認して工事は完了します。
以上が太陽光発電システム設置工事の一般的な流れです。工事によって異なる部分はありますが、いずれも複雑な工程を経ることに変わりありません。
しかし、工事自体は1日もかからず、朝~夕方で終わります。地球環境や光熱費節約に関心がある方は、太陽光発電システムの導入を検討してはいかがでしょうか?